第一話 徒然なるままに


The lady is a tramp は1937年のロジャースとハートのミュージカル “Babes is Arms”のなかで名子役に歌わせる歌として作られました。


歌詞はニューヨークのハイソや、そのエチケットを風刺しています。夕食を夜8時に取るとか、劇場に遅れてお出ましになる、うわさ話が好き、位の高い人を選んで遊ぶ、と皮肉っています。

そうした中、自由奔放にそれを否定すると社交界からは異端児として見られ、Trampと言われてしまうというわけです。今の女性にとってはこの歌くらいの行動は普通だし、意味がわからないと思われる方も多いと思います。そしてこの歌詞にはそういう女性を応援しているようにもとれます。


異端児(Tramp)と思われている女性が自分の気持ちを表している歌詞、

   I like the free, fresh wind in my hair,
   Life without care, I’m broke, it’s ok.

                   髪なびかせて、自由にのんきに、

                       お金ないけど、いいじゃない 

なんか淑女がボヘミアン的な一般女性になったように聞こえますよね。

                                 

いつの時代にもそういうたぐいの話はあるもので、2008年、サブプライムローンの問題が世界経済を揺るがす中、その御陰で大金持ちになったニューヨークの投資ファンドのファルコンという人物がいますが、夫婦して地方出身で生まれと育ちが悪く、その言動が見栄っ張り、欲張り、派手なのでニューヨーク社交界から「品がない」と現在総スカンを食っています。今の時点で見るとわたしにも「あんなことしたら嫌われる」と思えるのですが、時が経つと人の気持ちが変わるかもしれませんね。        

                                                        


ミュージカルは見られませんが、同じ題名の1939年の映画があります。その映画を見ました。ミッキールーニー(19才)とジュディガーランド(17才)が共演しています。今の「アメリカンアイドル」を思わせるエネルギーと才能に溢れる若き日の二人が歌って踊っています。

わたしがテレビで見たミッキーはコメディアンの大御所でしたのでびっくりでした。またジュディは映画「オズの魔法使い」で名演技をみせ、次にこの映画に出演しました。


この映画はアカデミー主演男優賞(ミッキー)と音楽賞を取りThe lady is a trampは金持ちのわがまま娘が出てくるとBGMで流れて来るのみで誰も歌いません。

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それにしてもなぜ「カルフォルニアがきらい」なのかと、長くカリフォルニアに住んでいたわたしにはカチッとくるわけで、


12月から3月まで雨期なので運悪くその時に来たのではないか、とか


その時代東部と西部、北部と南部、白人と黒人の格差は今と比べ物にならないくらいだったので、東部の人はカルフォルニアをばかにしていて、「女性はロンゲでビキニ姿、男性はマッチョで脳みそが空、そして変な新興宗教がはびこる」という感覚はわたしがいた70年代にも十分にありましたし、今もニューヨーカーは緻密で伝統的、古典的な気分を誇りにしているところがあります。

というふうに説明したくなってくるのですが、


単にわがままで自由奔放の女性が「キライッ」と言っているだけというのが妥当な考え方かもしれません。また、一般的にドライで暖かなカルフォルニアをうらやんで逆説的な言い方をし、ユーモアを楽しんでいるのかもしれません。



 by M.S.       
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