d51b7640.jpg
さて、翌朝はセントラルパークを散策。その後、Uさん希望のウォール街へと繰り出す。グラウンドゼロはもちろん、黄金の牛や、ピアノ生ライブ、生の花を各テーブルに置くという豪華な?!マグドナルドウォール街店でランチ。さらにエンパイアステートビルに上り、夜はat Lincorn Centerのライブハウス「Dizzy‘s Club」で、モスクワのビッグバンドを堪能する。ステージ後方のガラス張りの窓からはセントラルパークを見下ろせ、ビル群の夜景が見事である。ロシアのバンドは超技巧的演奏のサックス奏者中心に、ヨーロピアンジャズの匂いのするピアノ奏者と均整の取れたゴージャスなビッグバンドに酔いしれた夜だった。

NYにも慣れてきた5日目。アッパー地区ハーレムへ。地下鉄コロンブスサークル駅に行くと、そこに滑り込んできたのはなんと「Aトレイン」!我々は朝から大興奮! カメラ片手に気分は、♪Take The “A”Train、Go to Harelem♪ NYの地下鉄は今や安全かつ便利。駅に空調設備がなく、かなりの暑さには辟易したが、とても重宝した交通手段だった。急行のAトレインはあっという間に「125Street」駅へ。黒人の多い危ない地域かと緊張しながらも、まったく怖さを感じることなくハーレムを歩く。

まずはアポロシアターへ。赤い絨毯と古さが昔の良き時代を彷彿させる。「STEVIE WONDER」「QUINCY JONES」等、店ゆかりのアーティストの銅板が歩道で光る。その後、コロンビア大学、教会を見学。聖歌集をめくりながら、ゴスペルを歌うこの教会が無宗派だと知る。

どうやらこの地域にはDuke Ellingtonの家や、2代目BIRDLANDがあるというので、探し始める。が、その頃にはすでにお昼を回り、お腹がすいたというSご主人の言葉を聞き流しながら、歩くこと30分…。小さなジャズライブハウスを発見するもそれが2代目であるかは不明。しかし、Duke Ellington通りをすぐさま発見!きっとこの近くに家があるに違いない…と見回すがそんな看板などあるわけもなく、見つからない…。そこへ、あるフラットから妙齢のご婦人が一人。彼女に近づき問いかける。すると、彼女が、「Dukeなら、私の女友達二人と一緒に住んでいたわ。そのアパートなら、すぐそこよ!」と。なんとラッキーなことか!2軒隣にはなぜか親鸞和尚の像が立つ、川沿いに面した静かなこぢんまりとした美しいアパートの前で記念撮影。(たぶん、333番地。)再び、大盛り上がり!

大興奮している私たちを横目にお腹をすかせたSご主人が、このお店でランチを…と外観も素敵なレストランに入っていく。中に入ると、鏡面の壁いっぱいに酒瓶の並ぶお洒落なバーカウンターの先は広々とした店内の「HENRYS」。その粋な雰囲気が気に入り腰を落ち着ける。が、なんとそこがBIRDLAND2代目と判明!!もう私たちの興奮は最高潮に達したのであった。

最後の夜は、ビレッジ辺りの流行りのレストランで食事後、ライブハウス「Village Vangard」へ。Village Vangardは、ソニー・ロリンズやビル・エヴァンスなどがライブ録音したアルバムの名前にもなっていて、開店した当初から変わらぬ出で立ちの老舗名門ライブハウス。穴倉のような地下のフロアには所狭しとお客がぎっしり。ここにも壁には往年のジャズメンたちの写真が飾ってある。ステージも狭い。

8029da4a.jpg
今週は、Barry Harris Trio。ピアノトリオ。日本で一度彼の演奏を聴いていたので、私はこの夜がとても楽しみだった。Barryさんは御歳82歳のジャズピアニスト。ご高齢ながらも、若いジャズ奏者を育てようとするような教育家でもある。親日家でもあり何回も来日されては、音大でワークショップを開いている。彼の師事を受けたジャズピアニストは多い。今回のライブでも、まだ学生と思えるような青年に最初のテーマソングを弾かせていた。ボサノバのリズムを手拍子にして会場全員を参加させていく。唸り(歌い)ながら弾く彼のピアノの調べは、繊細で優しく美しい。 

さらに私たちは旅行計画中、彼がNY市民ジャズコーラスを主催しているということを知った。そこで、終演後、勇気を出して皆で挨拶に行った。彼からはこのNYジャズコーラスが月曜夜に練習しているのでそちらに来なさいということだったのだが、残念ながら、明日夜帰国の身。せめてと思い、「ブルースカイズ」の名前を残して、お店を後にしたのだった。彼はこの12月にも再来日。是非、交流ができたら…と秘かに期待しているのである。

旅にはハプニングと出会いがつきもの。今回も実にいろいろなことがあった。NYはアップテンポな躍動感と、自由で生き生きとした魅力的な街であった。そんな都会の街を一段と魅力的にしたのは、やはりBSのメンバーと共に訪れ、BSで歌う歌詞を体感するという醍醐味に溢れ、その私の感動や興奮がそのまま彼女たちと共感できたからではないだろうか。NYをジャズ三昧で楽しみたいという私の希望をさらに倍増させた旅であったと思う。

                                 JN(メゾ)