2014年07月

面白い歌

 

Nat King Cole が作詞家の Irving Mills 1943年に作詞・作曲した “Straighten up and Fly Right” と言う歌を紹介します。牧師だった Cole の父親のお説教が元になっていると言う事です。

 サルかに合戦ならぬ、サル‐ハゲタカ合戦と言った歌で、ノリの良い軽快なテンポで進んでいきますが、スラングを多用した歌詞が面白く、この曲の売りとなっています。

 Cole はおふざけでこの曲を作り、余り売れないだろうと思っていたようですが、案に相違してヒット曲となったようです。


内容は、空の旅に色々な動物を誘い、背中に乗せ途中で彼らを振り落とし食べていたハゲタカがサルを誘い空へ飛び立ちます。ハゲタカはサルを振り落とそうとしますがサルはハゲタカの首を絞め、振り落とされないようにする、と言った他愛無いお話ですが、実は哲学的と言う解釈もあります。


"Straighten up and fly right"には「まっとうになれ、行いを改めよ」という意味があります。
歌詞に"The buzzard took the monkey for a ride"とありますが、"take someone for a ride"は「殺す」「処刑する」といった意味のスラングでもあるようです。そして「サルを背中に乗せる」というの はドラッグ中毒というスラングの意味があるようで、麻薬中毒から抜け出す有様をちょっとしゃれて歌にしたのでしょうか。麻薬中毒をテーマにするなんて日本人には考えも及ばない歌ですね。


natkingcole


YouTube は以下。
https://www.youtube.com/watch?v=6fVaP6dM1fs
Bass M.K. 

女性ヴォーカルこの一枚

皆さん良くご存知の Ella Fitzgerald 1956年、39歳のとき、誕生間もない Norman Granz Verve Records に吹き込んだ Cole Porter の名曲の数々、”Ella Fitzgerald sings The Cole Porter Song Book”Ella Song Book シリーズの第一弾となったアルバムを紹介します。Song Book は最終的には8名の作曲家の歌の数々を集めたシリーズとなり、その何れもが成功を収めたとの事です。


 
エラ・フィッツジェラルドElla
の出自及び生い立ちは偉大な歌手と称せられるBillie Holiday と似通ったところがありますが、Billie の歌には何となく暗さが感じられるのに対し、Ella の歌
には常に明るさが感じられ、彼女の声、歌唱力、人柄とあいまって万人に暖かく愛される一因となっています。


このアルバムには
32曲が収められ、中には余り耳慣れない曲や、ああこれも Cole Porter の曲だったのだと気付かされる曲も何曲かあります、またCole Porter の陰と陽が判る構成となっています。

 Ella はどの曲もいとも簡単に朗々と歌い上げているように見えますが、Bonus Track では NG 集もあり、上手く歌えないことにいらいらしている様も聴け、微笑ましく感ぜられます。 

 
 Granz Waldorf-Astoria (ウオドーフ・アストリア:ニューヨークにある超高級ホテル) Porter を訪ね、出来上がったアルバムを聴かせ、聴き終わった Porter  My, what marvelous diction that girl has"「ああ、なんと素晴らしい歌唱力を彼女は持っているんだ」と感嘆したという事です。

何を今更 Ella か、と思われるかも知れませんが、作曲者の意図を十分に咀嚼した、他の女性歌手では聴く事のできない、ストレートに歌う彼女の暖かな声、表現力の豊かさ、ノリの良さに時の経つのを忘れ、引き込まれて行くのは請け合いです。

是非、傍に置いておきたいアルバムの一枚だと思います。

LPCD 双方妥当な価格で入手可能ですが、以下YouTube でもアルバム全曲を聴く事が出来ます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=bdg8dI5nWFI

https://www.youtube.com/watch?v=yrhhoHNQ8d4



Bass M.K.

 


 

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